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かんぼこらーめん

萌え語りをする為に借りたブログ。くだんねー妄想しかありませんのでご注意を!

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エキシビジョンマッチ

2008/01/04(Fri)19:55

タイトルはなんら関わりはありません。
というワケで、小ガ清話。キスしてます。
清麿さんあわあわするの巻なのでご注意下さい。
いやでもあまりあわあわしてないかも……;

・・・・・・・
それは、いつものような晴れた午後のこと。



「きよまろー」
間の抜けた声で自分の名前を呼ぶ相手に、清麿は半眼で振り返った。
「なんだ?」
機嫌の悪い声で返してやるが、相手は至ってへこたれない。寧ろその返答や良しとでも言うように満面の笑みを浮かべて、清麿の足へとしがみ付いてきた。
「言ってきますのちゅーなのだ」
「…………」
言いながら口をタコのようにわざとらしく尖らせるガッシュに、清麿は呆れたように目線を天井へ放ると盛大に溜息を吐く。
相手の行動もわざとらしいが、清麿のその行動もえらくわざとらしい動作だった。
「きーよーまーろー」
語尾にハートマークでもつきそうな、いや、寧ろ付いているだろうガッシュの台詞に、また清麿の気分は沈む。
だが相手はそんな清麿にお構い無しで、にじにじと身体を上ってきた。
まるで小猿のようだと冷めた目で思いながら、清麿はやがて来る瞬間を思い浮かべて眉を顰める。今の清麿にはそうすることしか出来なかったのだ。
だが、そうも言っていられない。
動かせる所は動かさないとと心を奮わせて、清麿はいさめるような声音で言葉を発した。
「あのな、ガッシュ……」
「ウヌ?」
ぴたりと肩車をしたような位置で止まるガッシュ。
あまりの至近距離に心が折れそうになりながらも、清麿は続けた。
「なんでお前はそう……その、したがる」
何を、とは言わずに問いかける清麿に、ガッシュは暫しその言葉の理解に時間を取ってにこりと笑った。
「決まっておるではないか! 好きな者とはキスするのが当然なのだ!」
また簡単に言ってくれる。
清麿は頭がくらくらし始めたのを感じながら、その言葉に突っ込んだ。
「じゃあ、ナオミちゃんとか山中にもするんだな?」
そう訊くと。
「しないのだ」
「…………なんで」
即答。十秒も間を置かず帰ってきた答えに、清麿は簡素な言葉でまた問う。
ガッシュは胡乱な目を向けてくる清麿に瞬きを見せると、真剣な顔で告げた。


「清麿としか、したくないからだ」


「…………」
体中の熱が顔に集まったかのように、一気に顔が爆発したような熱さを感じる。
無表情を貫いてきた顔に起った変化を自分でも感じながら、それでも、清麿は意地を張って無表情を貫き通した。
実際は、真っ赤になった顔でどんな表情をしようが無駄な事ではあったが。
ガッシュもその顔にくすくすと笑うと、熱を持った清麿の頬に口付けた。
「照れておるのか? 清麿」
「煩い!」
怒鳴る声は、動揺を隠しくれなくて少し裏返る。
気付けば眉は困ったように顰められていた。
「清麿」
おかしそうなガッシュの声が悔しくて、気付けばわかりやすい悔しそうな顔で、至近距離の相手を睨んでいた。
「何だよ!」
イラついた声が出て、一瞬心の中に罪悪感が生まれるが――
相手には、そんなことは関係なかったようで。
「大好きなのだ」
耳元でそう聞こえた刹那、目の前は金色で一杯になっていた。
「ん……」
出た声は口の中で篭って喉へと戻る。
驚いていた顔は次第に口付けの心地良さに負け、酩酊の心地を浮かべた。
ガッシュも清麿のその変化を感じていたようで、薄っすらと口を歪ませると、角度を変えてもう一度口付ける。最早清麿は怒る事も出来ず、されるがままでいるしかなかった。
「きよまろ……」
合間に囁く甘えた声に、心が震える。
優しい相手の唇の感触にただ心地良さを覚え、それ以外の感覚はなくなっていた。
「ガッ……シュ……」
相手を呼ぶ声さえも、この心地に酔っているのか甘い響を含んでいて。
いつもながら、こうして押し切られ、ここまで骨抜きにされてしまう自分が情けなかった。
相手は魔物とは言ってもまだまだ子供なのに。自分の方が大人なのに。
そう思うと、本当に情けない。
けれど、触れる熱に浮かされていつもこの時だけはその情けなさを忘れてしまう。
ガッシュに触れられると、どうしても拒むことも、考えることも出来なかった。
やがて、長い時間とも思えたキスは終わり、唇は名残惜しげに清麿から離れる。その様子を茫洋とした視界で見やりながら、清麿はガッシュの顔を見た。
すると、相手はなんでもないようににこりと笑って……
「いってきますなのだ!」
なんの余韻もないようにそう言って、ぴょんと床に降りると、さっさと部屋を出て行ってしまったのだ。
「……」
後に残るのは、当然、腑抜けた自分だけで。
「…………」
長い時間をかけて清麿はじーっとガッシュの出て行ったドアを無表情に見つめていたが、やがてようやく我を取り戻すと、徐々に表情を変えた。
口を引きつらせ、顔を真っ赤にして、なんともいえない表情に。
「お、俺の……俺のアホ……」
言いながら、頭を振る。最早怒る気力すらない。
がしがしと頭を掻いてにわかにざわつき始めた感情を沈めようと必死になりながら、清麿はうなだれた。
「なんでいつもあの台詞で落ちちまうんだああああ」
絶対、絶対ガッシュはそんな意味であの台詞を言ったわけではないのに。
しかし、言われた清麿にはその言葉は、「清麿としかキスしたくない」という言葉は、告白としか受け取れなくて。というか、絶対告白にしか聞こえない。
でも言った本人は絶対そんなコトは思っていないに違いない。
っていうか思っていたら凄く怖い。
だが、一番怖いのは……
「……毎回毎回乗せられる俺だよ……な……」
幼児に遊ばれて押し切られる少年。
……どう考えても頭がおかしいのは自分の方だろう。
常識的に考えておかしいのは自分でしか無い。
清麿はそのことに頭を抱えながら、思いっきり叫んだのだった。
「畜生ー! もう今度は絶対、絶対にしねえからなあああああ!!」

どうせ貫き通せないだろう誓いを。





(終?





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日常っぽいものを書こうと思ったら玉砕しました。
精進しますorz
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