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かんぼこらーめん

萌え語りをする為に借りたブログ。くだんねー妄想しかありませんのでご注意を!

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アゥプリルフールなのに

2008/04/01(Tue)23:49


何も出来ないのが悔しいので、凄く短いですがエイプリルフールに因んだ小話を上げてみようかと思います。
ううーん折角の四月馬鹿なのに、楽しい事できなくてすみません;
というワケで今日は子ガ清です。


・・・・・

「清麿!」
「……なんだ?」
「今日は……ウヌー、今日は、雨が降ってるのだ!」
部屋に入ってきていきなりのガッシュのトンチキな言葉に、清麿はいぶかしげな顔で振り返った。
「俺には晴れているように見えるんだが」
そう返すと、ガッシュはショックを受けたような顔をして、しかしすぐに顔を元に戻す。しかし清麿から見れば汗を大量に掻いている時点で平静な状態に戻っているとは思い難かったのだが、相手にそれを指摘するのも可哀相だと思い、清麿は静かにガッシュの弁を聞いてやることにした。
「ヌ……ヌヌ……で、では…………ガブリオがまた逃げ出したのだ!」
「だったらニュースで報道されるよな」
「ヌゥウウ!!」
適当に指摘すると、またガッシュはショックを受ける。
少し面白いが一体何の為に嘘をついているのかが解せない。
もうちょっとだけ話を聞いていてもよかったが、これでは一生話は進まないだろうと思って清麿は面倒だと思いながらも問いかけてみた。
「ガッシュ、さっきからなんで嘘ばっかりついてんだ? しかもバレバレのを」
そう言うとガッシュは大いに衝撃を受けたようだったが、それでもまだ気合は残っているのか耐え切って言葉を返した。
「……今日は、今日はアップルほーるでいと言う日なのだろう?」
一瞬何の事だと言いそうになったが、カレンダーを見て疑問は氷解した。
今日の日付は「四月一日」。いわゆる四月馬鹿、エイプリルフールだ。
だからあんなに微妙な嘘ばかりついていたのかと納得している端から、ガッシュが不満そうな口をつく。
「だからちょっと清麿を驚かせて見たくて、アップルホー…」
「エイプリルフールデイ」
「え、えいぷるるほーるでい? を、してみたのだ」
言い難そうに噛みながらイベント名を言うガッシュに、清麿は更に眉を顰めた。確かに今日は嘘をついてもいい日だと言われているが、あんなちゃちな嘘をついて何が楽しいのだろうか。
「……だからなんでああ言う阿呆な嘘を?」
思わず首を傾げた様に清麿が何も理解していないのだと悟ると、ガッシュは地団太を踏みながら手をブンブンと振り上げた。
「ウヌゥー!! だ、だからだのっ、清麿をぎゃふんと言わせたくてっ……!」
「あんなバレバレの嘘で言えるわけねーだろ」
「ヌォオオオオオオ!」
はっきりと言い放つ清麿に、ガッシュはとうとう胆力が切れたのか地団太を踏みながら両手で顔を覆って泣き出してしまった。言っておくが自分は悪い事はしていない。と、思う。
真実をはっきり言っただけである。
ちょっとだけ痛む良心を無視しながら、清麿は半眼でガッシュを見つめていたが……
「……はぁ……」
一回だけ大きな溜息をついて、まるで覚悟でもするように目を閉じた。
そうして、ゆっくりと目を開き、いつもと同じあきれ返ったような顔でまたガッシュを見る。
「ガッシュ」
「ヌォオオオオオオオオオォオオオオオ!」
呼んでも反応はない。
「……ガッシュ、今日は言っている事が嘘になるという日なんだよな?」
一応語りかけてみると、相手は号泣しながらも頷いた。
正直というか素直な子供である。
清麿はくすりと笑うと、椅子の背もたれに肘を付く。そうして、続けた。
「なあ、ガッシュ」
優しく語りかける声。それにようやく顔から両手を外した相手に微苦笑すると、清麿は口を歪めた。
「俺は、お前が大嫌いだ」
「―――――」
思ったとおりガッシュは固まってしまった。あれだけ前提を置いておいたのに、やはり相手は素直で他の頭が回らないらしい。面倒だと思いながら、次第に恥しさに歪んできた顔を元に戻そうと努めながら、清麿はどうすべきか考えた。
だが、相手もやはり物事が解らない子供ではないようで。
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を不思議そうに傾げると、清麿の顔を見て――やっと、気付いた。
「きよまろ……」
「…………」
ただ、泣いているのが面倒だから言ってみただけだ。泣き止むのか知りたかったから、言ってみただけだ。他意などある訳がない。そう自分の心に叱咤をかけてみるが、動悸は治まらない。
まるで先ほどの言葉に意味があるとでも言っているかのように、顔は赤くなり始めていた。
これじゃ誰にでも解ってしまう。
最早言い逃れが出来なくなってしまった事を悔やみながら背を向ける清麿に、ガッシュはじっと視線を向けていたが、やがて、満面の笑みで嬉しそうに笑った。
「きーよーまーろっ!」
「うぉわっ!?」
言いながらジャンプして圧し掛かるガッシュに大いに姿勢を崩したが、怒ろうにも顔が動かない。
何とも言えない顔で振り向く事も出来ない清麿に、ガッシュはうれしそうな声で抱きついた。
「私も、清麿が大大、大っ嫌いなのだ!」
見え見えな嘘の言葉。
騙されようにも騙される要素のない如何にも腐抜けた声。
さっきのように無表情でせせら笑える筈の言葉なのに、今だけは馬鹿にする事は出来なかった。
「…………バーカ」
清麿はただ簡素な貶し言葉を返し、何も言えない自分に苦笑したのだった。
(俺も、嘘がヘタみたいだ)
そう、甘い事を思いながら。






-------------
うーん、ちょっと消化不良?;
ブランクがスランプ呼んでるよチクショウ!
でもガ清は日常でこんな風にラブラブしててもいいと思います。イッツスイートライフですよ。
エイプリルフールは美味しいネタで一杯です。
特に清麿はツンデレなので愛(笑)も伝え易いと思うのですよ。
でももうエイプリルフール終っちゃったからダメだけどね!(泣
何はともあれ、この小話でちょっとでも幸せになって頂けたら嬉しいですv

それではおやすみなさい!
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No.47|小話CommentTrackback